入居者の願い
入居者の中には、ろう者や手話に対する偏見の強かった時代を生き、差別を受けても「きこえないのだから仕方がない」と我慢し、あきらめて生きてきた人もいます。
ななふく苑では「自分らしく暮らしてほしい」と、「入居者主体」の暮らしづくりを大切にしています。
毎年3月に入居者の自治会による「耳の日総会」で、入居者から施設長への要望や、個々の行きたい場所、やりたいことを出してもらいます。
そして個々の願いに寄り添った個別の取り組みを行えるよう相談し、実現しています。
一人ひとりのやりたいことは様々。
「生まれ育った故郷に帰って両親のお墓参りをしたい」という方もいれば、「お寿司を食べたい」「洋服を買いに行きたい」「草津温泉に行きたい」という方もいます。
今年は「和歌山で開催される全国ろうあ者大会に行きたい」という希望も出されました。
職員も一緒に参加して、全国のきこえない仲間との再会を楽しめるようにお手伝いしたいと思います。